はじめに
さて突然ですが、少し前にスーパーテクノロジスト制度というものが提唱されました。
放射線技師も、これからはより専門的な方向へシフトしていきそうです。
手始めに受験資格も比較的ゆるく、他の認定よりも受験しやすい、
MRIの認定技師(磁気共鳴専門技術者)の取得なんていかがでしょうか。
受験前に精度管理をするのが若干手間ですが、本試験も比較的簡単な印象です。(合格率約50%)
磁気共鳴専門技術者とは
主に診療放射線技師が取得できるMRIについての専門性を証明できる認定資格(民間資格)です。
MRの認定技師、MRI専門技師などと呼ばれることが多いです。
取得者はかなり少ないです。
放射線技師の免許を持っている人数に対して、1%程度しか取得していません。(2016年時点)
(参考)放射線技師免許取得者数:69334人(2010年 厚生労働省データ)
磁気共鳴専門技術者認定者数:およそ600人(2016年 認定機構データ)
取得率約1%!
同期や先輩を出し抜きたいならこの資格がおすすめです。
また、転職時などの技術証明としても使えそうです。
ただし、デメリットもあります。
この資格がなくても仕事になんら影響がありません。
むしろ、MRIの指導係や保守整備など任され、仕事が増える恐れがあります。
それとこの資格は5年の更新制です。
合格後、飽きたら更新しなければよいだけです。意外と更新しない人もいるようです。
2022年の更新率は80.6%~95.5%。
合格率 (2022)
最近の合格率です。
2022年試験では下記のような結果でした。
受験者:216 人
合格者:116 人(60 点以上が合格) 合格率:53.7 %
受験者の比率 《初回:再受験=5:6》
最高点82点/最低点24点 平均:59.3点
他の試験との比較 合格率の視点から
合格点も60点以上と緩く、なにより合格率53.7%というのは、
けっこう手軽な試験という印象です。
もちろん一概に比較はできないことは当然だと思いますけれど。
運転免許よりも合格率が若干低い合格率。
英検3級と同程度の合格率と思うとわかりやすいかも。
合格率
34.2%:医学物理士
50.9%:簿記3級
52.9%:英検3級
53.7%:磁気共鳴専門技術者
60-70%:普通運転免許
受験資格・申請書
詳細は認定機構のHPをご覧いただくのが間違いないです。
日本磁気共鳴専門技術者認定機構(JMRTS) (umin.ac.jp)
適宜改定されているようです。
このサイトも古くなってしまう可能性もあります。ご注意ください。
本試験の前にいろいろと申請しなければいけません。
一番ネックな受験資格といえば、団体に2年在籍すること、です。
受験までに団体に2年在籍すること
これらの団体に所属している方は少ないと思います。
まずは技師会に入会し、2年の間にいろいろな書類を準備し、本試験の勉強を進める必要があります。
面白いのはMRIの操作経験は不要だということです。
①構成7団体のいずれかに在籍し丸2年以上を経過する
下記のいずれかに在籍する。学生会員での在籍期間も含む。
日本磁気共鳴医学会
日本医学放射線学会
放射線科専門医会・医会
日本放射線技術学会
日本放射線技師会
日本臨床衛生検査技師会
日本医用画像システム工業会
②MRI操作経験
MRI操作経験については不問
③学術成果
MRに関する学術研究発表を3回以上、もしくは学術誌への論文1編以上を有する。
しかしJART(日本放射線技師会)の会員については免除される特例がある。詳しくは↓
③の特例(後述)
JARTの会員については、医療安全学、救急医療学、医療社会倫理学、MRI検査の4科目を習得、アドバンス診療放射線技師以上で上記の学術成果が免除される。
※JARTの会員については、2022年度から開始された新生涯教育システムにおいてレベル2以上の取得をもって上記③が免除される特例となります。但し、レベル2であっても申請時には基礎技術講習「MRI検査」を修了したことを判明できなければなりません。
詳しくはHPで要確認。
④施設の安全管理
被検者ならびにスタッフのための施設が備えている安全管理マニュアルの提出
http://plaza.umin.ac.jp/~JMRTS/dl/gijiroku2019dai1kai.pdfより引用
2)安全管理マニュアルは、MRI 部門のみとし 10 ページ程度を PDF で送付。
MRI安全管理マニュアルの提出について | タカスログ (brightwalk.net)
⑤精度管理
4つの項目について精度管理を行う。細かい条件は認定機構のHPへ。
やり方は専門書がありますので、そちらを見ながら進めるのが一番です。
⑥安全管理講習会の受講
ホームページの「認定試験受験のためのMR安全管理講習」から受講してください。
※受講証明を試験当日にお持ちください。
これらの書類を事前に送付し、受験申請を行う必要があります。
書類に不備があったり、精度管理方法が間違っていたりすると、受験させてもらえません。
その場合は翌年度の再受験ということになるようです。
よってこれらの書類をしっかりと作っておくことが一番重要です。
JARTの会員特例について(2022)
JARTの会員については、「4科目受講して、MRI検査を受講」すれば上記の学術成果が免除される、っていうとても簡単な特例が私が受験した当時ありました。
2022年現在、久しぶりに要件を確認したら、すっごく複雑になっておりました。
私自身、技師会は昔々に退会しているのもあり、恥ずかしながら全く理解できませんでした。
生涯学習というHPがあります。生涯教育概要 | 公益社団法人 日本診療放射線技師会 (jart.jp)
唯一理解できたのは、学士のポイントがしれっと消滅していたことです。
学士持っている人は750ポイントもらえたのですが、なくなっていました。
試験対策
過去問と出題基準です。
私のようにMRIにかかわって数年で受験するのと、
MRIに10年以上関わっている方とは知識のベースが違うと思います。
まず、精度管理が1番です。
私はそれが終わるまで勉強はしませんでした。10月くらいまで精度管理に集中。
そのあと勉強しました。国家試験過去問のMRIの問題などからチャレンジしました。
ほぼ理論など忘れている私のような脳では国家試験でも意外と難しいです。
MRIの問題だけを抜粋して勉強しました。学生時の参考書を引っ張り出してきて再読。
また、機構から参考図書が指定されているので、それも購入。
自県でMRIの勉強会なども開催されているのでそこでコソコソと出席しました。
学会に出席すると教育講演として基礎的な講演も聞くことができます。
ある程度テキストが理解できたら、
磁気共鳴専門技術者認定機構のHPの過去問の勉強です。
当時は過去問はHPにアップされていませんでした。
“MRIの基本パワーテキスト”などの参考書にも問題が載っていますので活用しました。
結果は、たまたま簡単な問題の年だったらしく初回で合格できました。
私が合格できたので、ほかの方なら余裕で合格できると思います。
さいごに
いかがでしょうか?
意外と取得を目指せるのではないでしょうか。
お勧めです。