磁気共鳴専門技術者の認定更新に必要な知識「Q3-03」2021年度版

2021年度版
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強磁性体の持ち込みについて

各項目について簡潔に解説する

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強磁性体への吸引力は、静磁場の勾配と強磁性体の質量に比例する

これは正しい。

MRI装置の磁場は、装置の中心から端部に向かって弱くなる。この磁場の空間的な変化率を勾配という。強磁性体は、勾配が大きい方向に吸引される。また、強磁性体の質量が大きいほど、吸引力も大きくなる。

低磁場装置で使用可能であった非磁性体のストレッチャーが高磁場装置で使えないことがある

これは正しい。

非磁性体は、磁石に引き付けられないものだが、その中にも微弱な磁気を持つものがある。これを常微弱磁性体という。常微弱磁性体は、低磁場ではほとんど影響を受けないが、高磁場では吸引力や回転力を受けることがある。そのため、低磁場装置で使用可能であった非磁性体のストレッチャや器具が、高磁場装置では使えないことがある。

MRI検査室内の吸引力を感じないところであれば、強磁性体の点滴スタンドなどを置いても問題ない

これは間違い。

MRI検査室内では、どこでも強力な静磁場が存在する。人間は静磁場に対して感覚を持たないが、強磁性体は常に吸引力を受けている。そのため、MRI検査室内に強磁性体の点滴スタンドや器具を置くと、突然動き出して事故を起こす可能性がある。

低磁場の永久磁石装置では、強磁性体が使用されているストレッチャーや車いすを入れても問題ない

これも間違い。

永久磁石装置は、電気を使わずに常に静磁場を発生させる装置。そのため、低磁場でもMRI検査室内では強力な静磁場が存在する。強磁性体が使用されているスチレッチャや車いすを入れると、同様に事故の原因となる。

3T装置や最近のshort magnetタイプの1.5T装置は開口部付近で急激に磁場強度が高くなる

これは正しい。

3T装置やshort magnetタイプの1.5T装置は、高分解能や高速撮像などの高性能な画像を得るために、高密度で均一な静磁場を発生さる。そのため、装置の開口部付近では、磁場の勾配が急激に大きくなる。このような場所では、強磁性体は特に注意が必要となる。

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