MRI検査時におきる現象について
以下の4つの項目から選択する。
静磁場
静磁場勾配
RF磁場
傾斜磁場
インプラントの吸引 「静磁場」
静磁場中の強磁性体には、吸引力と回転力が働く
インプラントの回転 「静磁場勾配」
静磁場中の強磁性体には、吸引力と回転力が働く
神経への刺激 「静磁場勾配」「傾斜磁場」
傾斜磁場の変動速度(db/dt)が大きいほど、人体に電圧が生じ、その結果として末梢神経が刺激され、ピリピリ感を感じることがある。
発熱 「RF磁場」
RF波は、一般的なラジオ放送で使われる30〜300MHzの周波数の電磁場を指す。生体組織では、100MHzまで(1.5T)ではイオン伝導による伝導損失が主な熱エネルギーへの変換メカニズムだが、100MHzを超える(3.0T)と誘電損失も重要な要素となる。
静磁場強度が高くなると共鳴周波数も高くなり、高周波は熱に変わる。そのため、SAR(Specific Absorption Rate)は静磁場強度の2乗に比例して上昇する。また、電力吸収は距離の2乗に比例して表面が過熱されやすくなり、生体の不均一性や局所的な加熱リスクも考慮される。
聴覚刺激 「傾斜磁場」
傾斜磁場の変動速度(db/dt)が大きいほど、人体に電圧が生じ、その結果として末梢神経が刺激され、聴覚刺激を感じることがある。
金属味 「静磁場」
MRI検査時に「金属味」がする理由は、主に以下の要因によるもの。
- 静磁場への感受性: 静磁場は非常に強力な磁場であり、人体内に存在する金属の影響を受ける。金属物質が口腔内や鼻腔内に存在すると、静磁場によって金属が微細な振動を起こし、それが神経に刺激を与えることで金属味を感じることがある。
- 電流の誘起: MRI検査では強力なRF(ラジオ周波数)パルスが使用される。このパルスが金属物質によって電流が誘起され、その電流が神経組織に影響を与えることで金属味を感じることがある。
- インプラントや詰め物の存在: インプラントや詰め物などの歯科材料には金属が含まれている場合がある。これらの金属部分が静磁場やRF磁場によって影響を受け、金属味を感じることがある。
ただし、金属味が全ての患者で必ずしも起こるわけではない。感じ方や強さは個人差がある。
また、検査に使用されるMRI機器や技術の進歩により、金属味の感じ方を軽減するための対策も進んでいる。
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