新型コロナウィルスのための換気方法とは?
政府発表のCT室の換気法
令 和2年3月17日にCT室の換気方法が発表。
2 換 気
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版より引用
患者(疑い例を含む)を診察する場合は,陰圧室の使用が望ましいが必須ではなく,使用できない場合は換気を十分に行う.あらかじめ施設の換気条件(換気回数など)を確認しておくとよい.CT 検査室はその日の最後が望ましいが,日中に使用した場合は,換気条件により次の患者入室までの時間を考慮する(換気回数が 1 時間 6 回の場合,室内に飛散した飛沫
核の 90%,99%,99.9%が除去される時間は各々 29 分,46 分,69 分とされる).
確認すると、けっこうざっくりな対策。
しかも、後述する資料を見ると、換気時間が間違っている。
あらかじめ施設の換気条件(換気回数など)を確認しておくとよい.との記載があるけど、
具体的にはわかりません。
空気感染する?
そもそも新型コロナウィルスは空気感染しないとの政府発表なので、換気は不要に思えます。
けど対策として、多少オーバー気味にやっておきましょう。
”実は空気感染する”、ぐらいの気持ちでやっておいたほうが無難ですね。
その場合、
ドアを開放するとドアの外側にウィルスが出ちゃうかもしれないのでダメ。
(圧力コントロールや対策をされている場合は別とのこと)
基本的に換気は換気扇
換気時間の算出には空気感染する結核のデータを使用です。
使用データは、CDCのデータ。
Morbidity and Mortaty Weekly Report(MMWR); Vol.43 No.RR-13.1994. 。
CDC Morbidity and Mortaty Weekly Report(MMWR); Vol.43 No.RR-13.1994.より引用
換気能力とウィルスの除去効率の表。
部屋の体積算出
例えば、
CT室の体積が50m3 だと仮定。
例:CT室の体積が50m3 と仮定
次に換気扇の送風量算出
換気扇の型番から送風量を調べる。もしくはメーカーに問い合わせ。
ここでCT室内についている換気扇送風量は100m3/hと仮定。
例:CT室内についている換気扇送風量は100m3/hと仮定
計算
送風量÷体積でACH(Air Changes per Hour)を求める。
ここでは
100÷50=2
なので、2。
表よりACHが2の場合のウィルス除去までの時間を探す。
ACHが2なので、99.9%の項目をみると、207分。
例: CT室体積 :50m3
換気扇送風量:100m3/h の場合
99.9%除去までの時間:207分
結果
207分換気扇を回しておくと、ウィルスを99.9%除去できる。
したがって、次の患者の撮影は、207分後、である。
まとめ
すごくざっくりとした計算。
実際に運用する場合は、空気との混合率を考慮したり、
吸気口、排気先、換気扇劣化具合を考慮したりと問題はいろいろあるけど。
しかし一つの目安になると思うので、参考まで。
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